選後感

 楽曲大賞は例年違わず“気に入った曲のプレイリストを何度も聴き返して「あー、この曲はもうお腹いっぱいだなー」と感じたものを順次外していく”、要するに消去法で選んでいる訳だが、当該年度の収穫量や品質の高低に関わらず僅差で泣く泣く落とさざるを得なかった曲は必ずあるものだ。
 つーことで、今年の次点を振り返る旅。


次点:安倍なつみザ・ストレス(shakabone HIDE Remix)』

ザ・ストレス

ザ・ストレス

 Remix曲としては『恋のダンスサイト』以来の収穫のように思う。海を越えて違う匂いのする風が吹いてきた感じ。でもまあ安倍さんの弛緩したセリフやラップは使うべきではなかった。BOSSYやyumiの声と存在感の差があり過ぎた。クールなヴォーカルだけを生かすべきだった。そういう意味じゃRemixとしては失敗しているのか。
 あるいはいっそのことRemixではなく、安倍さんのヴォーカルも新録して純粋な別Versionにしてしまえば良かったのかも。きっと彼女のことだから超大ハシャギ&ノリノリでマイクに向かっただろうと思うが。安倍さんの声で「♪イライライライーラ」とか言われたら聴いたこっちがイライラすること請合い。


次点:重ピンクこはっピンクレインボーピンク

 これは大変な傑作だとは思うけど、小春が道重に合わせ過ぎている。道重はかなりピンクだけど小春はそれ程にはピンクじゃない。我ながら狂った表現だな。
 デビューし立ての後輩を先輩の世界観に付き合わせるのは派生ユニットの常套手段というか、初代タンポポも初代プッチモニもそうだったのだけれど、今回はそこまでのズレはなく(無表情、すなわち“コケシ顔”と“常に笑顔”という意味で二人は共通している)、故にズレが生み出す面白味も中途半端に終わってしまった。単にキャラが被っている、あるいは道重に比べて小春は能力的にまだまだ、という印象を与えてしまう。
 もちろんこれを重ピンクと亀ピンクでやっていたなら、私のような小五月蝿いファンは坂の下に置いてけぼりなのだが。


次点:℃-ute大きな愛でもてなして

キューティークイーン VOL.1(初回生産限定盤)(DVD付)

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 甘酸っぱくて身体に悪い感じ。まるで毒のある花の蜜のようだ。あるいは経血の染みたナプキンを口に含めばこのような味がするのかもしれない。メンバーの年齢分布が第二次性徴期を跨いでいるが故の奇蹟。
 悪酔いの予感がしたら早々に身を引くのが四十男の経験値というものだ。