青春 誰?

 矢口は正直すぎるよ。

青春 僕/青春 俺

青春 僕/青春 俺

 この曲は3曲(あるいは大サビを含めて4曲)をツギハギして仕上げた楽曲なわけだから、もっと唄い方からタイム感からそれぞれに切り分けて、少々チグハグなくらいに唄い分けないと。市井紗耶香的馬鹿力(ばかりょく、と読む)があれば、弛緩したアイドル歌唱と苦笑交じりな熱唱とで、2種類くらいは使い分けられたかもなのだけども。それではエアバンドとの差別化が成り立たないのだ。
 慶一が「Aメロしか書けない男」であるが故に、ムーンライダーズにはツギハギ楽曲が少なくはなく、成功すれば『髭と口紅とバルコニー』になり、失敗すれば『夜のButique』になる。でもそれは楽曲自体の負った業で、それを背負えるか背負えないかは歌唱者の器量に委ねられる。慶一にとって楽曲の成否は、アレンジやプロデュースも含めた、自身を献体とした自己実験なのだ。純シンガーなら、少々無理のあるオーダーが下ろうとも腕(喉?)一本で切り抜けなければならない。優秀なプロデューサーが多人数ヴォーカルの利を生かして塩梅よく仕上げてくれるモデルからの脱却はなかなか難しいね。
 初戦の適不適を嘆くことなく、これを機会に研鑽して欲しい。


 ビジュアルはバッチリだぞ!